JAZOUL Journal

大人の遠足?岡山へシャツ工場と、デニム加工工場の見学へ。大人の遠足?岡山へシャツ工場と、デニム加工工場の見学へ。

大人の遠足?岡山へシャツ工場と、デニム加工工場の見学へ。

愛知県豊橋市水上ビルのオーダースーツ店の店主加藤でございます。洋服業界歴15年以上、海外へビンテージバイヤーとしても経験がある店主が男性の洋服の事についてお伝えしております。

オーダーシャツ工場の見学へ、岡山へ行ってきました!

仲良くさせていただいている東京のオーダースーツ仲間からお誘いがあって、岡山へ!シャツ工場さんの見学は初めてなので、本当に嬉しいことです。

おじさんのアップで失礼します。。。

岡山と言えば児島のデニム、デニムの聖地とされ、世界一のデニム生地を作っていることで有名ですが、シャツ工場があるなんて、、、と思われるかもしれませんが、見学させていただいたシャツ工場さんは国内でも有数のオーダーシャツ工場であり、それをオーダースーツ仲間で見られるなんてとっても貴重な機会。なのにも関わらずニットで来てしまったのは店主のイージーミスであります、、、やってもた。。

一旦岡山駅で乗り換えて、、、
乗り換えて宇野駅で待ち合わせ

宇野駅はアートスポットで有名な直島のフェリー乗り場がある駅で、目の前が海、そして直島行のフェリー乗り場でした。アート好きの店主加藤。直島も行きたいなぁ。。。と思いを馳せつつ仲間と待ち合わせしておりました。

どれかが直島。のはず。

ご丁寧にも工場の方々が車で迎えに来ていただいて、みんなで工場見学へ。

シャツ生地の裁断機。
職人さん同士の熱い技術継承中。姿勢がかっこ良い。。

到着すると、とっても綺麗なシャツ工場さんでした。良い工場さんの条件として綺麗なこと。そして現場で働いている方が若いこと。が挙げられます。雑然とした生地だらけの場所で、おじいちゃん職人さんがただひたすらに縫っている工場さんもロマンティックで素敵ではありますが、、、笑
綺麗なことはやはり品質の良さや、安定感、ミスの少なさに反映され、お若いスタッフさんが多いことは技術継承がされていくことの証でもあります。70歳くらいになると目が見えなくなってきて、そろそろ引退。。。工場閉鎖という工場さんもこの10年で物凄く増えております。私も、オーダースーツ屋として何十年もお仕事がさせていただきたいので、業界の先輩方が引退したタイミングで工場としてもクローズでは我々も困ってしまうのです。日本のものづくりを次世代へ繋ぐ、という工場さんの気概が見える場面でもあります。有難いです。

皆さん、効率化のため、一日中立ちっぱなしだそうです。ありがとうございます。

スーツや、シャツの工場というと一人の職人さんが一着を一人で縫っている(これを丸縫いと言います)とイメージがありそうですが、ほとんどの場合それはフルオーダーの世界となります。もちろん、単価も上がり、納期も長くなり、なかなか手が出ない分野となります。素敵なんですが、スーツが一着50万円となると、なかなか買い替えも出来ませんよね。

そこで、裁断や縫製などを分業することで効率化、生産コストも下げてくれているのが日本のお仕立て工場さんなのです。そこには設備投資や、人材育成、マネジメント、中国製品とのコスト比較など、ヘビーな難題が待ち受けています。それをクリアして、ジャパンメイドを今日も続けてくれているなんてリスペクトしかありません。それはすぐに言葉にしてお伝えもしました。私、すぐエモくなるので笑
この方々が日本のものつくりの未来なのです。現場を見ると、コスパ最優先!もっと納期を早く!!なんて我儘なことは言えなくります。実直で、真面目なお仕事が報われなくてはいけません。

デニムの聖地、児島へ。

お次はデニムの聖地、岡山県は倉敷市の児島へ。世界中のデニムメーカーが「児島のデニムが世界一!!」という意見は皆さんも耳にしたことがあるかと思います。元々、デニムジーンズはアメリカで炭鉱夫の作業服として誕生し、リーバイスが現在も最大手。そのビンテージに色落ちが良く、雰囲気が良い。これはなぜだ、、、という文化がビンテージデニムの始まり。そして、そのビンテージの奥深さを発見したのは、実は日本人なのです

とある話ではアメリカンレジェンド、「ラルフローレン」氏が、ビンテージのリーバイスを買い求めようとしたところ、日本人に買われてしまってほとんど無かった。。。ということで誕生したのがRRL(ダブルアールエル)。ラルフローレンのビンテージラインとして、現在もなお、アーリーアメリカンスタイルの先駆者である同ブランドのファンは世界中に存在しています。逆輸入的に日本人の審美眼がアメリカの文化の再発見をさせた、という事は、文化に対する日本人の奥深さを象徴するようなエピソードです。

そして、児島のデニム加工場へ。

シャツ工場さんが仲良くされているということで、スーツ仲間でデニム染色、加工工場さんへ見学をさせていただきました。我々もスーツ関係の工場は見学したことがありますが、デニムは初めて。こうやって加工しているのか!!と大興奮です。

ガチで軽石を混ぜて色落ちさせる、ストーンウォッシュ
デカい洗濯槽でガンガンに洗って色落ちさせます。
細かなニュアンスを出すのはほとんど手作業
質感を出すために、わざとシワが出る干し方もするとか。
インディゴ染色で出た排水
バクテリアを使い徹底的に浄化させ、、
ウーロン茶に色より薄い状態にして排水。

染色も加工もほぼ手作業です。染色はデザイナーやブランドからの大体こんな感じで。という注文を、染色の職人さんが膨大な染色資料から配合を考え出し、ほぼ手作業と経験で作成しているようです。今はパソコンやスマホがあるから画像でイメージの共有が出来るそうですが、昔は口頭でイメージを共有していたそうです。まさに職人技、、、私もビンテージの職歴があるのですが、ビンテージのあのムードというか、雰囲気を作ることは非常~~~~~~~~に難しいのです。作業着としての着用や、長い年月をかけて退色する独特の雰囲気を再現することなんて、日本だけの細やかな感覚あってこそかもしれません。

また染色や、加工の中でインディゴによる汚水が出るのですが、こちらでは現在の日本の排水基準よりもはるかに高い、岡山独自の基準をデニム業界で設けているそうで、家庭の排水よりも綺麗な状態にして処理を行っているそうです。スーツの毛織物もそうですが、生地を作るには大量の水を使用します。そのため生産工場の近くは、水源が豊かなことも条件の一つとされています。

排水のためだけの設備がおよそ○億円ということで、棄てるためだけにそこまでの金額をかけているのは凄まじいとみんなでため息を漏らしました。世界でもこんなに厳しくしているのは岡山だけ。ということで、安かろう、悪かろうでファストファッションのように安さを優先し続けるのは危険なんですよね。こうした現場での凄まじい努力を見ると、ちょっと安いだけ。では購入出来なくなってしまうんです。こういった現場で見たことをお客様にお伝えしていくのが、僕らの使命だね、とスーツ仲間と熱く話し合いました。

自販機もデニム
駅のお迎えもデニム、ちょっと怖い。
灰皿も隣駅はドリームとホープ
改札も
とどめにジャイアントデニムでお別れ、有名インフルエンサーティアモさんもにっこり

児島駅はこれでもか!!というデニム推し。年に一度デニム祭りも開催されているそうでそれも見たいなぁ。その後の懇親会もめっちゃくちゃに盛り上がり、岡山の居酒屋に舌鼓を打ちました。私は音楽バーを探して、その地域の音楽文化とそれを支える音楽ファンの皆様との交流も楽しみ、良い思い出となりました。私も音楽文化を伝えるため、レコードバーも頑張らねば。

岡山良いとこ一度はおいで。ということで、皆さんも岡山旅行でデニムなどの素晴らしい文化に触れてみてくださいませ。日本のものつくりでもっと良い社会にしていきましょう。

ビジネススーツ、成人式のオーダーはジャソールまで

現在、納期は1.5ヶ月~2ヵ月となります。まずはご来店予約をお待ちしております。

オーダースーツ 料金
3ピース(ジャケット / パンツ / ベスト) 18万円(税別)〜
2ピース(ジャケット / パンツ) 15万円(税別)〜

ビジネススーツ、結婚式の新郎衣装は
オーダースーツがおすすめです

オーダースーツのお仕立ては、
テーラージャソール豊橋本店へご相談ください。