JAZOUL Journalジャソール ジャーナル
ジャソールサウンドシステム悲喜交々 vol.1
愛知県豊橋市水上ビルに店舗を構えるオーダースーツ専門店「テーラージャソール」でございます。
先日、大阪よりわざわざ2度も当店のオーディオ設置、調整のためご来店いただいた渡辺さん。元々オーディオ店でお勤めで、オーディオはもちろん、洋服、酒場への文化へ愛情と造詣が深さから、すっかり関西のレコードバーの相談役的ポジション。
いつかお店を持つ際は渡辺さんにぜひセッティングを。と考えていたことが今回実現しました。
そんな渡辺さんから「ジャソールサウンドシステム悲喜交々」として、コラムをいただいたのでご紹介させていただきます。今回はその第一弾をご紹介いたします。全何部作でしょうか楽しみです。かなりの頻度でイケメンという単語が飛び出すので恥ずかしくはありますが、、、
オーディオシステムについてのお問い合わせも時々いただいておりますので、こちらをご覧いただければより分かりやすいかと思います。
レコードバーのオープンも延期しておりましたが、おかげさまで音響環境も整い、10月下旬にはオープンできそうです。
ジャソールサウンドシステム悲喜交々 vol.1
音楽バーを併設するオーダースーツのお店「テーラージャソール」
ここの店主であるイケメンで気の良いタクちゃんからオーディオについての相談を受けたのは昨年の夏くらいのことだったと思う。
その頃の僕はまだ中古オーディオ屋の店員をしていて、馴染みの音楽バーなんかで誰も興味のないオーディオの雑学をあーだこーだとひけらかして調子こいていた。一方、イケメンで気の良いタクちゃんはというと、大阪のとあるテーラーさんに勤める傍ら、夜は夜で音楽バーの手伝いをしていた。
もちろん、カウンターに立つ彼にも同じようにくだらないオーディオの雑学を吹聴していたわけで、こんなオヤジの戯言を真に受けたのかどうなのかわからないけれど、故郷の愛知県豊橋市で独立開業すると決めた時に店のサウンドシステムの選定やセッティングは僕にお任せしたいなどと殊勝なことを言ってくれた。
果たしてそれは本気なのか、それともこんなダメオヤジへの単なるリップサービスなのか、実はその時はまだ判断がつきかねていたのだが。。。
大阪の仕事を全て整理して豊橋に帰ったイケメンで気の良いタクちゃんから本当にオーディオシステムの見積もり依頼が来たのは正月も明けてようやく仕事モードになり出した頃で、喜び勇んで片っ端から在庫を調べては、まるで自分のオーディオを買うみたいな気分になっていた。
レコードバーのご神体であるスピーカーについて
イケメンで気の良いタクちゃんが背広を仕立てることと同じくらい熱量を注いでいるのが音楽とそれにまつわる文化を継承することで、その要となるオーディオはそんな彼の熱量に相応しいものでないといけない。とは言え金掛ければ良いというもんでもない。バランスが全てだ。
掲げたテーマは志は高く、予算は限りなく低く。。。
気合バッチリで選んでいくと僕の在籍していた店で買ってもらえるものは結局スピーカーだけになり、その他は他所から調達すること相成った。
オーディオの無駄話は多いが商売に関してはまったくトホホな店員であったわけだ。
彼に勧めたオーディオの中でもとりわけ目玉であり店の御神体にもなるであろうスピーカーは吊るしのものでは面白くないので70年代の劇場用のスピーカーボックスに良く鳴りそうなユニットを見繕って組み込むことにした。
50年代、60年代、70年代のグッとくるポピュラー音楽と、その時代を愛しインスパイアされた若き音楽家の作る音楽を愛する彼のセレクトするレコード盤が似合うちょっと古めかしいスピーカーシステムだ。それは昨今のハイクオリティなホームオーディオとは真逆に位置する酒場ならではの非日常が味わえるぶっとい音が出るはず。
見積もりを出してしばらくすると世間ではじわりじわりとコロナの渦が大きくなり潮目が変わってきた。そして前代未聞の自粛の嵐の中、7月4日に「テーラージャソール」はオープンした。僕の内心はしてしまいやがっただったが。。。
そして併設される音楽バーは状況を鑑みて予定をずらし秋口のオープンとなった。
そんな知らせが届いた時、ふと頭を過ぎったのが人生の坂の名言。一つ目が登り坂、二つ目が下り坂、そして三つ目がま・さ・か〜。イマドキそんな陳腐なスピーチをするオヤジはいないが僕はこの言い回し嫌いではない。。。
独立開業を目指し登り坂のイケメンで気の良いタクちゃん、定年を目前に人生降り坂に差し掛かった筆者。
そんな時にやってきたのはコロナと言うとんでもないまさか。。。
このまさかは我々の諸々の事情や思惑を軽くぶっ飛ばし新たな事情を生み、いろいろ翻弄させてくれた。
これから手配するはずだったオーディオシステムも暫定的ではあるけれど極力今あるもので組むことを余儀なくされた。
ジャソール・サウンドシステムの要となる劇場用スピーカーだけは予定通り導入してくれたけれども、イケメンで気の良いタクちゃんが購入手続きをしてくれた時には僕は定年を目の前にその中古オーディオ屋を退職していた。
それぞれの思いが散り散りに交差しながら、どうにかこうにか準備を整え、大阪から豊橋に出向き古い劇場用スピーカーシステムのセットアップができたのは店のオープンから遅れること2ヶ月目の9月3日のことである。
恐々謹言
ビジネススーツ、成人式のオーダーはジャソールまで
現在、納期は1.5ヶ月~2ヵ月となります。まずはご来店予約をお待ちしております。
オーダースーツ 料金
3ピース(ジャケット / パンツ / ベスト) 18万円(税別)〜
2ピース(ジャケット / パンツ) 15万円(税別)〜